大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)1867号 判決

控訴人主張の各土地(従前の土地)がいずれも控訴人の所有であるところ、昭和二十二年二月二十七日特別都市計画法施行令第十条の整理施行地区の告示があつて、右各土地は東京都都市計画復興土地区劃整理事業第十四地区に属し、同法による土地区劃整理が施行されていること、右各土地につき特別都市計画法第十三条に基きそれぞれ控訴人主張のような換地予定地の指定があり、従前の土地の所有者たる控訴人に対しては昭和二十七年八月二十日附、同年九月二十六日附、並びは同年十月十日附書面を以て、またこれらの従前の土地の関係者として訴外小竹新六、同斎藤彌太郎、同小林三雄に対しては、その頃計画施行者たる被控訴人から、それぞれ控訴人主張のような換地予定地指定の通知があつたことは、当事者間に争がない。

よつて特別都市計画法第十三条第二項に基いて被控訴人から、従前の土地の関係者として前記各訴外人に対しなされた前記各換地予定地指定の通知につき、訴願を経由しないで提起された取消の訴は不適法であるとする被控訴人の主張につき判断する。

特別都市計画法第二十六条によれば、同法または同法に基いて発する命令によりなす処分については都市計画法第二十三条ないし第二十六条の準用がある旨を明規しているのであるから、前記特別都市計画法第十三条第二項に基く関係者に対する換地予定地指定の通知に対する訴願については、関係法条たる都市計画法第二十五条第一項、第二項第二十六条の準用あることは明らかであり、これら法条に関する解釈上、本件換地予定地指定通知に対しては、訴願庁たる主務大臣に訴願し得ないこと、從つて右換地予定地指定通知の取消を求める訴につき訴願を経由するを要しないこと並びに出訴期間遵守に関する原判決の説示は、正当であつて、当裁判所もこれと見解を同じうするから、これをここに引用し、(引用部分――記録第一三七丁裏一行目から、第一三八丁裏七行目まで)ただ前記都市計画法第二十五条第一項、第二十六条の定める如く、一応訴願と行政裁判所に対する出訴との選択を認めながら、第二十五条第二項の如く出訴し得る場合には主務大臣に訴願することを得ない旨の定めある以上、現行裁判所法の下では、およそ法律上の争訟であればもはや主務大臣(本件においては訴願庁に当る)に訴願を提起し得ない趣旨と解する外なく、從つて本件の場合指定通知取消の抗告訴訟を提起するにつき、訴願を経由する要なきことを、重ねて指摘するに止める。

以上説示の如く、前記訴外人等に対する本件各換地予定地の指定通知の取消を求める訴は適法であるが、原判決も説示する如く(記録第一三八丁裏八行目から第一三九丁裏六行目まで)被控訴人が前記訴外人等に対してなした換地予定地の指定通知の有無により、控訴人が從前の土地の所有者として右換地予定地につき有する特別都市計画法第十四条に定める権原には、何等の消長を及ぼすものでなく(控訴人は更に当審において右各換地予定地を本件補助参加人等に賃貸し且つその登記を経由している旨補陳するも、かかる事実の有無はこの判断と何のかわりもない。)従つてこれが取消を求める控訴人の本訴請求は、権利保護の法律上の利益を欠くものというべく却下を免れず、その理由の詳細については前掲原判決の説示をここに引用する。

次に控訴人の本訴請求中「被控訴人は訴外小竹新六、同斎藤彌太郎、同小林三雄をして各前掲従前の宅地上に所有する建物を当該換地予定地上に移転せしめ、または自ら移転してはならない」との判決を求める部分については、その訴旨とするところは、前記訴外人に対し換地予定地の指定通知があつた結果として、将来計画施行者たる被控訴人において右訴外人等に対し、特別都市計画法第十五条による工作物の移転命令を発してその移転をなさしめ、或はこれに応じない場合には行政代執行法による代執行のなさるべきことを予想して予めこれを阻止せんとするにあると推知できるが、かくの如く行政庁に対し将来或る一定の行政処分をなすべきこと、またはなすべからざることを求める訴の不適法なことは原判決の説示するとおりであつて(記録第一三五丁裏七行目以下第一三六丁裏四行目まで)、当裁判所もこれと見解を同じうするから、この点に関する原判決の説示をここに引用する。

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